SARSの本、差し上げます

 昨夜の日本テレビの番組「ザ世界仰天ニュース」では、SARS(重症急性呼吸器症候群)を取り上げていました。SARSが発生して6年近くが経ちますが、皆さんの記憶の中ではどのような位置付けになっていることでしょう。今年度に入り、厚労省は新型インフルエンザ対策推進室を新設しました。ワクチンの備蓄や接種の優先順位などで議論もあり、やはり感染症対策は一筋縄ではいかないようです。
 
 前回の当ブログでもお知らせしましたが、結核予防会では昨年末「SARS いかに世界的流行を止められたか」を出版しました。医療関係者だけでなく医学部学生などにも広く読んでもらうため、無償で提供しています。テレビ番組では出ていない多くの事柄が、この本にはぎっしり詰まっています。A4判297頁とボリュームがありますが、読み易く、平易な文体で訳されています。
産経新聞編集委員の宮田一雄さんがご自身のブログ「ビギナーズ鎌倉」http://miyatak.iza.ne.jp/blog/entry/505317/で紹介してくださっていますので、こちらも参考にされぜひお申込ください。

申し込みは結核予防会ホームページをご覧下さい。
http://www.jatahq.org/

保健指導力をみがくコーチング上達講座 佐藤利光

講座とは関係ありませんが、公衆衛生関係の方にお知らせをひとつ

 「保健指導力をみがくコーチング上達講座」を主催する結核予防会では、2月に本を作りました。『SARS いかに世界的流行を止められたか』がそれです。世界保健機関が出していたものを本会が翻訳権を得て、日本の公衆衛生や感染症対策に関わる人たちに無償で提供するものです。

 今から5年前2003年の4月は、中国を中心にアジア諸国で重症急性呼吸器症候群(SARS)が爆発的な力を示し、それらの国を恐怖と混乱に陥れていました。本書にはWHO、特にWHO西太平洋地域事務局がこの21世紀最初の新興感染症とどう闘い制圧に導いたかが克明に描かれています。B5判・298頁とかなりのボリュームですが、医療従事者でなくとも十分理解できるよう平易な文章で書かれています。
 医学部の学生に読んでもらえたなら、なおうれしいですし、医療関係者はもとより、企業のリスクマネジメント担当の方々にも参考になるものと思われます。まだ在庫がありますので、ぜひともお読みください。
 申込は結核予防会ホームページをご覧下さい。http://www.jatahq.org/index.files/sars.pdf

 生活習慣病とは何の関係もありませんが、良い本なのでこの場を借りて紹介させていただきました。

 保健指導力をみがくコーチング上達講座 佐藤利光

東京FMが講座の取材に来ました

 3月21日・22日保健指導力をみがくコーチング上達講座で19年度の開催はすべて終了しました。この1年で9回を数え北海道から沖縄県まで150名近くの方々にご参加いただきました。あらためてこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
 20年度は夏以降に数回開催する予定です。決まり次第、当ブログならびに結核予防会ホームページでお知らせ致します。

 明日4月1日からいよいよ特定保健指導が始まります。各機関ではこのために長い時間をかけて準備をしてきたことと思います。でも現時点ですべて準備が整ったというところはおそらくないでしょう。健診や保健指導のソフトも決まっておらず先行き不透明で不安だらけという健診担当者の悲鳴も聞こえています。実際には明日から業務が一変するということではないのでしょうが、保健指導に対する周囲の目は変わるのだと思います。マスメディアでも徐々に取り上げられるようになりました。

 そういう流れなのでしょう、「保健指導力をみがくコーチング上達講座」に先日東京FMが取材が来ました。25日の「バイブル」という番組で、講座の様子や受講生のインタビュー、それから結核予防会の特定保健指導部門の責任者のインタビューも流れました。少し前には、NHKから当講座について問合せの電話もありましたが、国の大きな制度変更が間近になると、マスコミも取り上げざるを得なくなるようです。ただ“特定問題”は人の生き死ににすぐさま結びつくものではないので、マスコミの中でも比較的のんびりした扱いのような気がします。

 国の制度が大きく変わるときには、賛成派と反対派の対立があります。今まさにどうなるか瀬戸際のガソリン税しかり。これは庶民のお財布にすぐに響き興味を持たれやすいので報道の価値が高い。特定問題も賛成・反対の立場の医師が新聞紙上で持論を展開し比較されることがありますが、庶民の興味はどうなのでしょうか。
 論点として主なものは、「腹囲の根拠の有無」「健診は医療費総額に関係するかしないか」です。それぞれになるほどなと思わせる論理がありますね。ちょっと異質なところでは、「自由と人権」の視点からこの制度に反対している大学教授もおられます。元厚生労働省の官僚の方というのが面白いところです。
 この制度はいずれ評価がなされますが、そのときに問われるのは何なのでしょう。個人の行動変容がなされたかではなく、厚生労働省の目論見どおり医療費が削減されたのかどうか、というところにいくのでしょうか。

 しばらく講座はありませんが、ブログはひと月に1回は更新したいと思っています。
 今後とも宜しくお願い申し上げます。

 保健指導力をみがくコーチング上達講座 講師 佐藤利光

 

講座の申込状況

保健指導力をみがくコーチング上達講座第9回の申込が定員に達したため、これからお申込をされる方については、「キャンセル待ち」の扱いとさせて頂きます。ご了承のほどお願い申し上げます。

保健指導力をみがくコーチング上達講座のお知らせ

第9回  3月21日(金)~22日(土)満席のためキャンセル待ち

【募集人数】20名
【費用】42,000円
【場所】結核研究所
【交通】西武池袋線清瀬駅徒歩10分
【住所】東京都清瀬市松山3-1-24
【詳細】結核予防会ホームページhttp://www.jatahq.org
【講師】佐藤利光(プロフィールをご覧ください)
【お問合せ】結核予防会03-3292-9287

19年度のコーチング講座あと1回

 どんな方が講座に参加されるかというと

 保健指導力をみがくコーチング上達講座第8回が先週15日(金)・16日(土)に行われました。北は仙台、南は福岡から参加していただきました。講座からどれだけ多くの学びを得られるかは、参加者の積極性によるところが大ですが、「大人の研修」の意味を十分に理解された皆様によって、活気のある2日間となりました。参加者の皆様には、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 さて、この講座にはどのような方々が参加して下さっているかを少しお話ししましょう。講座のターゲットは、特定保健指導に関わる医療従事者ですから、やはり保健師さんが中心となります。それから看護師さん、管理栄養士さんです。この3職種は、自治体・保健所・健保組合・事業所の健康管理室・健診団体・介護事業を展開する会社・病院・クリニックなど、所属は多種多様です。
 保健所で地域保健に携わる方もおられるので歯科衛生士さんもいます。医療機関からは臨床検査技師さんも来られます。
 それから、コーチングは医療分野に入る前からビジネスの世界で広まっていましたので、健診機関の管理職の方もお見えになります。企業所属の産業医の方も参加されました。健康運動指導士、産業カウンセラーもいらっしゃいます。
 大学で看護教育に携わる教員の方々もたびたび参加してくださいます。保健師や管理栄養士の資格所有者で、これから活躍するための準備としてコーチングを学ぶ方々もいらっしゃいます。
 つまり保健医療の分野でお仕事をされる人のほとんどの職種の方がお見えになるということです。
 医療専門職の研修はほとんどが縦割りと言っても過言ではないので、保健医療の分野での研修でこのように多職種横断的なものは珍しいと思います。多職種だけでなく多業種でもありますので、まさにいろいろなところから人が集います。これが、“上達講座”の大きな特徴であり長所だと考えます。

 研修後のアンケートでは、「知らない世界の人と会ってとても刺激を受けた」「素晴らしい仲間ができてうれしい」と書いてくださいます。仕事は違っても同じ志を持つ同志が集まっているのですね。内容の評価とともに、こういった感想を持って家路に着いてくれることがこの講座に対する大きな承認でもあるのです。
 少人数での学びの場はそれだけ密度の高い関係が生まれます。参加者自身がこの講座を良いものにしようという意識を持って関わってくださることが一番大きな強みです。

 あと1回の講座で、どのような出会いがあるのか、どのような出会いを提供できるのか楽しみです。

保健指導力をみがくコーチング上達講座のお知らせ

第9回  3月21日(金)~22日(土)残席少し

【募集人数】20名
【費用】42,000円
【場所】結核研究所
【交通】西武池袋線清瀬駅徒歩10分
【住所】東京都清瀬市松山3-1-24
【詳細】結核予防会ホームページhttp://www.jatahq.org
【講師】佐藤利光(プロフィールをご覧ください)
【お問合せ】結核予防会03-3292-9287

今年度の講座もあと2回

 行動変容とひとくちに言っても

 厚労省の標準的な健診・保健指導プログラムの第3編保健指導では、必要とされる保健指導技術として「カウンセリング技術、アセスメント技術、コーチング技術、ティーチング技術、自己効力感を高める技術、グループワークを高める技術など」をあげています。また、「指導方法は行動科学、看護学、栄養学、運動科学、教育学等の研究成果によっても変化する」ので保健指導プログラムは「常に関連する学問の研究成果を確認しつつ改訂していく」と書かれています。

 これは、保健指導者に求められる資質として、生活習慣病の医学的知識を前提として、保健指導プログラムを効果的に動かすためには、これまで以上に多くのスキル・知識が必要なのだということを意味します。看護や栄養は専門分野でしょうが、カウンセリングからコーチング、行動科学から教育学と大変広い守備範囲を要求され大忙しです。行動科学を勉強しなさいとひと言で言われても、心理学や社会学もその範疇でしょうから、いったいどこから手をつければいいのだろうと途方にくれるかも知れません。ですから、厚労省は特定保健指導をする保健師・管理栄養士のために、「リーダー育成プログラム」「実践者育成研修プログラム」を作りました。ちなみに実践者育成のほうは基礎編、計画・評価編、技術編で合計900分、20単位を網羅していれば、主催した機関が修了証を発行できるようになっています。

 ここで1つやっかいなのは、この研修の講師は医師・保健師・管理栄養士でなくてはならないという決め事です。この三職種でないと正規の単位数に換算されません。国立保健医療科学院の研修を受けた者が企画した実践者研修で、技術編の中で「行動変容に関する理論」を単位に盛り込んだとき、これを教える人間が三職種でないと単位に換算してはいけないのです。
 例えば、行動変容を導くスキルとしてコーチングを学習してもらおうとした場合、教えるのは医師か保健師か管理栄養士でないとならない。心理学の大学教授も、臨床心理士も、プロコーチも駄目です。もちろん単位に換算されなくとも時間割に組み込むことは自由ですから、そういう場合は900分以外の“おまけ”として扱われます。
 コーチングを扱える人を三職種の中から探そうとすると非常に限られるのではないでしょうか。保健指導者のスキルアップになるのなら、どういう資格者でもいいのではないかと思うのですが・・・(佐藤利光)


第7回講座盛況のうちに終わりました


第7回講座を先週11日・12日と開催いたしました。北は宮城県、南は長崎県から保健指導者の方々で満席となりました。研修後のアンケートから感想を一部ご紹介いたします。

■今まで、どのように保健指導すればよいか、に頭が向いていたが、面接することが最終目標ではないことを改めて考えさせられた
■少人数で質問もしやすくアットホームな良い環境だった
■人の心を動かすことはやはり大変で、エネルギー、知識のいるものだとつくづく感じた
■ロールプレイはドキドキしたが、クライアントの気持ち・受け取り方が少し判った
■講義だけでなくロールプレイやテストがあり、自分がやらないと研修が進まないので必死だった
■何よりも、保健指導に対するモチベーションが上がった

保健指導力をみがくコーチング上達講座のお知らせ

第8回  2月15日~16日残席少しあり
第9回  3月21日~22日残席あり (すべて金曜日~土曜日)

【募集人数】20名
【費用】42,000円
【場所】結核研究所
【交通】西武池袋線清瀬駅徒歩10分
【住所】東京都清瀬市松山3-1-24
【詳細】結核予防会ホームページhttp://www.jatahq.org
【講師】佐藤利光(プロフィールをご覧ください)
【お問合せ】結核予防会03-3292-9287

保健指導者の悩み

保健指導者は悩み多き人種

 第6回の講座を先週の金・土と行ないました。年の瀬にもかかわらず北は北海道、南は徳島県のご参加をいただきました。皆さん講座にとても前向きに取り組まれ、いつもより少数ながら一体感のある進行ができたように思います。9名の精鋭の方々、ありがとうございました。

 多くの健診機関のお話を伺うと、特定健診・特定保健指導への動きは、まだまだ様子見といったところのようです。年明けから一気に契約の動きが出るという話もあれば、20年度中に始めればいいのだから、実際は秋以降になると言う人もいます。
 保健師さんたちは、これまで健診の結果処理や事後指導を地道にこなして来ました。保健師の本来業務とは少し離れた仕事をする場合も多かったようです。そこに特定保健指導という新しい世界ができ、本筋の業務に専念できると思った人もいるでしょうが、ことはそう単純でもありません。健診の営業にも同行し慣れない営業トークの必要に迫られています。花形である営業部門の職員より、保健師に営業の前面に立つように要求する事業所トップもいますから、会社が彼女達に求めることは確実に増えているわけです。「私は保健指導だけやっていたい」という主張は世の中的には通りません。これが1つの悩み。


悩みはいろいろ

 保健指導での悩みは、成果を計られることに起因しているようです。受け持った受診者を脱落させず目標達成に導かなくてはいけないというプレシャー。これまで保健指導の成功率を計られたことはなかったのですが、今度はそれが明白になります。
 受診者にもいろいろな人がいます。「オレは太く短く生きるから、あんたの言うことなんか聞く気はない」と逆切れするサラリーマンもいますね。こう言うアウトローを気取った人は、自分のような人間は数少ないだろうが、という言外の意味を含めているのですが、実際は多いのではないでしょうか。珍しくはありません。このような厳しい反応を受けながらも、保健師さんたちは自分のスキルを磨こうと日夜努力しています。保健指導は従来のような健診の“おまけ”ではなくなり、成果を計られるようになったので当然ではあります。こういう辛い状況も1つの悩みでしょう。


研修は情報交換の場でもある

保健指導力をみがくコーチング上達講座に参加すると、各地域で活躍する保健師・管理栄養士・看護師の皆さんと意見交換ができます。私はこれも研修の1つの成果だと思います。丸々2日間を同志たちと過ごす中で、新たな気づきを得られることでしょう。



保健指導力をみがくコーチング上達講座のお知らせ

第6回 12月21日~22日終了しました
第7回  1月11日~12日締め切りました
第8回  2月15日~16日残席あり
第9回  3月21日~22日残席あり (すべて金曜日~土曜日)

【募集人数】20名
【費用】42,000円
【場所】結核研究所
【交通】西武池袋線清瀬駅徒歩10分
【住所】東京都清瀬市松山3-1-24
【詳細】結核予防会ホームページhttp://www.jatahq.org
【講師】佐藤利光(プロフィールをご覧ください)
【お問合せ】結核予防会03-3292-9287

特定保健指導のための実践者育成研修について

あなたのオリジナリティを見つけましょう

自治体や各種団体が保健指導の実践者育成のための研修を始めています。厚生労働省が定めた単位数どおりのものや、それを超えたものなどがあります。厚労省の示す見本がありますから、内容は大きく変わりませんが、それでも機関によってはオリジナリティを出そうとしているところもあるようです。多くが医師・保健師による講義中心ですが、それでも“使える保健指導者を作る”ために研修企画者がいろいろと工夫しているところを時間割から垣間見ることができます。ある自治体ではコーチングの授業も数時間組み込んでいました。

保健指導者の実力とは

このような実践者育成研修を終えた人は「修了証」をもらえるようになっていますが、これはメタボ指導の“認定証”ではありません。ちょっといじわるな言い方をすると、修了証は研修を終えた証ではあるけれども、実力が認められたわけではありませんね。実力が認められるのは、あなたの面談した対象者が半年後に当初の目標をクリアしたときです。クリアした対象者が多ければ多いほどあなたに保健指導の実力があるということです。ただ、コーチの立場から言うと、本当に実力があるかどうかは、半年後に目標をクリアさせたかではなく、対象者がその後も新しい生活習慣を身に付けたままでいられるようになったかどうかです。修了証がなくても20年からの特定保健指導はできますから、もしかしたら、国が定めた研修プログラムに一切左右されず、独自のやり方で対象者の生活習慣を変えさせ健康度を上げる保健指導者が出てくるかも知れません。

特定健診・特定保健指導そのものが、国家による壮大な実験だと言えますから、予期せぬ成果や結果が数年後、数十年後に出てくるのでしょう。その実験を担う研究者が、あなた自身なのです。

保健指導力をみがくコーチング上達講座のお知らせ

第6回 12月21日~22日締め切りました

第7回  1月11日~12日残席あとわずか
第8回  2月15日~16日残席あり
第9回  3月21日~22日残席あり (すべて金曜日~土曜日)

【募集人数】20名
【費用】42,000円
【場所】結核研究所
【交通】西武池袋線清瀬駅徒歩10分
【住所】東京都清瀬市松山3-1-24
【詳細】結核予防会ホームページhttp://www.jatahq.org
【講師】佐藤利光(プロフィールをご覧ください)
【お問合せ】結核予防会03-3292-9287

個別面談の回数と効果

メールよりも電話、でも面談の方がずっと効果的/佐藤利光

来年の特定保健指導に向けて、今、健診事業者は料金体系をどのように設定するか検討を重ねているところだと思います。積極的支援の6ヶ月は、面談やメール、電話を使うのですが、それにはいくつかのバリエーションがあるでしょう。A・B・Cコースだったり、シルバー・ゴールド・プラチナコースだったり、松・竹・梅コースかも知れませんね。違いは保健師・管理栄養士の関わり方にあり、それはすなわち個別面談の回数ということになります。個別面談が多ければ費用もかかるのです。利用者にしてみれば安い費用で大きな効果を期待するのでしょうが、保健師のほうは、成果を出すにはより濃厚な関わり方をしなければならないと考えます。メタボに関する保健指導のエビデンスはまだありません。これから蓄積されるものです。5年後の評価のときにどう出るか、ということでしょう。

ビミョーに似ている? メタボの指導と結核の服薬指導?

結核は患者に対する指導が大変重要で、保健所の結核担当者はこの勉強を積んでいます。結核研究所のことを以前書きましたがここでの研修には全国各地から保健師さんが参加します。特定保健指導に当たる方は、一度結核担当の保健師に話を聞いてみたらどうかと思います。何かヒントが得られるのではないでしょうか。

結核対策の視点で言うと、結核の治癒までには6ヶ月の服薬が必要ですが、治療完了率を上げるには看護師による積極的な介入が効果的だという研究結果があります。結核は薬を飲み始めて2週間ほどで症状が治まり、平常と変わらなくなります。ここで薬を止めてしまうと再び発症し、これを繰り返すうちに多剤耐性結核になることがあるので、症状が治まっても半年はしっかり薬を飲まなければなりません。看護師や保健師はここで患者を脱落させないために指導をするのですが、介入の程度によっては治療完了率に大きな差が出るというのです。ある文献(保健師・看護師の結核展望89号119頁で紹介)によると、標準群と介入群では39.3%と61.5%もの違いがあったと報告されています。

メタボの6ヶ月間の保健指導と結核患者の6ヶ月の服薬指導を同列に論じることはできないかも知れませんが、「自己価値と自己尊重の感情を重視するように、効果的な対応とコミュニケーション技量をもつ看護師が指導し、健康志向行動の促進を強調するという包括的支援体系」(記事原文)が提供されれば確かに成果が出るのだ、という結核対策の例は、メタボにとっても、大変示唆に富んでいると思います。

保健指導力をみがくコーチング上達講座のお知らせ

第6回(12月21日~22日)を開催します。(まだ席がありますがお早めにどうぞ)

以降は年が明けて
第7回 1月11日~12日
第8回 2月15日~16日
第9回 3月21日~22日 (すべて金曜日~土曜日)

【募集人数】20名
【費用】42,000円
【場所】結核研究所
【交通】西武池袋線清瀬駅徒歩10分
【住所】東京都清瀬市松山3-1-24
【詳細】結核予防会ホームページhttp://www.jatahq.org
【講師】佐藤利光(プロフィールをご覧ください)
【お問合せ】結核予防会03-3292-9287

保健指導力をみがくコーチング上達講座 その4

閑話休題 特定保健指導の研修について/佐藤利光

最近、健診機関の人たちと話をする機会が多くあり、私はそのたびに特定保健指導の実践者のための研修がそれぞれの地元でどの程度行われているか確かめることにしています。厚生労働省は、都道府県に保険者協議会を設置しそこで保健指導に従事する保健師・管理栄養士の研修をすると計画していましたが、私が聞く限りでは今のところこの種の研修会はあまり開催されていないようです。東京都の場合も、保険者協議会の今年度中の研修計画はないということですし、来年度についてもはっきりした方針はありません。

結核予防会では、国に先駆けて17年度から「健康支援者養成研修会」を実施しており、すでに5回を数えました。厚生労働省が先日、特定保健指導実践者のための研修の見本として示したカリキュラムを、内容も時間も大きく上回るものとなっています。当初は結核予防会全国支部の保健師だけに対象を絞っていましたが、現在は門戸を広げ企業の方にも参加をいただいています。「認定証」も発行する研修ですのでご興味のある方は結核予防会のホームページをご覧下さい。

保健指導にコーチングが必要な理由

さて、私は以前から仕事仲間の看護師長とコーチングに関わっていましたが、特定保健指導の問題が出たときに、コーチングがあってこそ保健指導が生きてくると話し合ったものです。上述の「健康支援者養成研修会」を始めるときに、コーチングの講義を試しに一コマ入れて見ると、果たして、参加者から、コーチングだけの独立した研修を作ってほしい、という意見が寄せられました。それが1つのきっかけとなって「保健指導力をみがくコーチング上達講座」を立ち上げました。コーチングは行動変容を目的とするコミュニケーションのスキルであり、保健指導は生活習慣を変えることなしに成果は得られません。生活習慣は何十年とかけて身に付いたものですから、簡単にはあらためられるものではありませんが、3日続けば1週間、1週間続けば1ヶ月、そして3ヶ月・・・というように適切なサポートがあれば、今度はそれが新たな習慣として定着します。保健指導者は、そういう受診者のサポーターであるのです。“指導者”という呼称は何となく上からの目線の印象がありますが、指導の場面で心がけたいことは、マラソンの伴走者の立場のようなものだということです。

厚生労働省の「保健指導プログラム」では、保健指導にあたっては、“必要な資質を身に付けるために行動科学について勉強しなさい”ということが書かれています。ひとくちに行動科学と言っても心理学・社会学など幅広いものです。どう学ぶかは各自に任されているのですが、これらの専門書を読んで保健指導の個別面談にすぐに活かせるほど簡単なものではありませんね。

「保健指導力をみがくコーチング上達講座」は、こういった学問的探求ではなく、あなたの明日の個別面談からすぐに活用できるコミュニケーションのスキルとして、コーチングを学びます。積極的支援である保健指導の個別面談は、半年の長期にわたって行われます。毎月1回30分の面接で、対象者の行動変容が導けるかどうかが、保健指導の成果のもととなります。同じ志を持った保健指導に従事する仲間たちと、2日間丸々コーチング漬けで、一歩抜きんでた保健指導者になるための第一歩を踏み出しましょう


保健指導力をみがくコーチング上達講座のお知らせ

第6回(12月21日~22日)を開催します。


以降は年が明けて

第7回 1月11日~12日

第8回 2月15日~16日

第9回 3月21日~22日 (すべて金曜日~土曜日)

【募集人数】20名
【費用】42,000円
【場所】結核研究所
【交通】西武池袋線清瀬駅徒歩10分
【住所】東京都清瀬市松山3-1-24
【詳細】結核予防会ホームページhttp://www.jatahq.org
【講師】佐藤利光(プロフィールをご覧ください)
【お問合せ】結核予防会03-3292-9287

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